入学式や卒業式は、新たな門出を祝福する大切なセレモニー。特に20代~30代の方々は、今までのリクルートスーツ感覚ではなく、もう少し大人っぽさや品のある装いを意識することで、場をより華やかに彩ることができます。ただし、あくまでも式典というフォーマルな場であることを忘れてはいけません。ここでは、初めて入学式・卒業式に参加する方や「どうコーディネートすればいいかわからない…」と悩む方に向けて、外さない基本スタイルを徹底解説します。
入学式・卒業式は学校行事として行われるため、あまり派手すぎず落ち着いた雰囲気の服装が望まれます。特に卒業式は「厳粛」、入学式は「やや明るめ」というイメージを持っておくと、全体のトーンを決めやすいでしょう。たとえば、卒業式にブラックやネイビーなどのダークカラーを選び、入学式にライトベージュやパステルカラーを選ぶのも自然な流れです。もちろん両方兼用にしたい場合は、ワンポイントでコサージュや小物を変えるだけでも雰囲気を変えられるので工夫してみましょう。
20代は少し明るめの色やフレッシュな印象を与えるデザインが似合います。一方、30代は落ち着いた色味をベースにしつつ、シルエットや素材感にこだわると上品さを演出できます。さらに「清潔感」「きちんと感」を意識すると、どちらの年代もフォーマルな場で好印象を得やすくなります。具体的には、シワになりにくい高品質な素材を選んだり、ネイルやメイクもナチュラルで清楚なトーンにまとめたりするのがおすすめです。
フォーマルシーンのカラーといえばブラックやネイビーなどが定番です。卒業式にはダーク系、入学式にはベージュやパステル系、といった組み合わせが多くの方に好まれます。ただし、最近では同じダーク系でもネイビー寄りの明るめやチャコールグレーを選ぶことで、重くなりすぎない仕上がりにするケースも増えています。入学式でパステルカラーを選ぶ場合は、淡いピンクやアイボリーが人気です。もし「少し華やかさが欲しい」という方は、コサージュやインナーをアクセントカラーにするだけでも、見た目の印象をワンランクアップできます。
入学式や卒業式は子どもたち、または学生本人が主役の場です。派手なフリルや過度なスリット、目立ちすぎる光沢感のある素材は好ましくありません。あくまで「セレモニーの引き立て役」という意識を持ちましょう。例えば、膝丈のスカートや、露出を抑えた上品なトップスを選ぶのが基本。また、ブラウスの胸元が深く開きすぎないように気を配るのも大切です。ディテールにこだわりつつも、主張しすぎずに整えたコーディネートで出席すれば、場の雰囲気を壊すことなく好印象を残せます。
「トレンドは追いたいけれど、フォーマルシーンでは浮いてしまわないか心配…」という方は、全身を流行色でまとめるのではなく、小物やインナーでさりげなく取り入れるのがおすすめです。たとえば、スーツやパンツドレスといった定番フォーマルに、今年のトレンドカラーのブラウスを合わせる、パールアクセサリーのデザインを少しモダンなものにする、などのさりげない工夫でトレンド感とフォーマル感を両立できます。また、レース素材の袖やストールで季節感をプラスすると、式典独特の厳粛さを保ちつつ洗練されたスタイルが完成します。
フォーマルシーンにおいて、アクセサリーは「付けすぎない」が鉄則です。基本はパール系のネックレスやイヤリング、華奢なデザインのブレスレットなどが上品で取り入れやすいアイテム。派手なビジューや大ぶりのカラフルなアクセは、入学式・卒業式にはあまり相応しくありません。バッグも小さめのハンドバッグやクラッチを選びがちですが、式典は思いのほか書類や記念品などを持ち帰ることがあります。会場や移動時間を考慮して、必要最低限の荷物は収まるサイズのバッグを選びましょう。靴は歩きやすさ重視のパンプスやローヒールでも十分エレガントに見せられます。
ヘアスタイルも派手になりすぎないように。20代は少し可愛らしさを残しつつ、きちんと感を出すアレンジが好印象です。ふんわりまとめるローポニーテールやハーフアップが式典に合うでしょう。30代は、シニヨンやクラシカルなアップスタイルで大人っぽくまとめるのがベスト。メイクはナチュラルな仕上げを基本とし、リップやチークで血色感をプラスする程度に抑えましょう。
また、セレモニー中は長時間着席することになります。座っているときの姿勢や、学位授与や証書授与などで前に出る際の立ち居振る舞いにも注意が必要です。姿勢が悪いとせっかくの素敵なスーツやドレスが台無しになってしまいます。特に壇上に上がる機会がある方は、歩き方やおじぎの角度、手の位置などを鏡の前で一度確認しておくと安心です。そうした所作の美しさが、全体の印象を大きく左右します。
入学式&卒業式は人生の節目を祝う大切な行事。20代~30代という大人へのステップを踏んだ世代にとっては、リクルートスーツから一歩進んだ「自分らしいフォーマルスタイル」を確立する絶好の機会でもあります。色や素材、シルエットにこだわりつつ、式典マナーを守った着こなしを心がけるだけで、華やかさをプラスしながら「きちんと感」も演出できます。さらに、トレンド要素を小物やインナーで取り入れて、自分らしさをさりげなくアピールするのも大切です。
最後に大切なのは「清潔感」と「品格」。どんなに着飾っていても、ヨレやシワのある服では台無しになってしまいます。事前のお手入れや試着、歩き方や座り方のチェックまで念入りに行うことで、本番当日に自信を持って臨むことができるでしょう。入学式や卒業式は未来への扉が開く瞬間でもあります。大切な一日にふさわしいスタイルを身につけて、自分も周囲も笑顔になれるセレモニーにしてみてください。