近年、雑誌やSNSなどでよく耳にする「骨格診断」。自分の骨格タイプを知ることで、体に合ったファッションを選びやすくなると話題です。フォーマルスーツは特にシルエットや素材感が重要視されるアイテムなので、骨格タイプに合ったものを着ると、一気にスタイルアップが期待できます。そこで本記事では、ストレート・ウェーブ・ナチュラルの3つのタイプ別に、フォーマルスーツを選ぶ際のポイントを解説。卒業式や入学式、ビジネスシーンなど、さまざまな場面で役立つ着こなし術をぜひマスターしてみてください。
「ストレート・ウェーブ・ナチュラル」という骨格タイプは、いわゆるスタイルの良し悪しとは別に、人それぞれの体のラインや質感の違いを分類したものです。たとえばストレートさんは厚みのある上半身が特徴、ウェーブさんは華奢で曲線的なボディラインが目立つ、ナチュラルさんはフレーム(骨格)自体がしっかりしており、手足が長い傾向がある…といった形でおおまかに分かれています。
この骨格診断を活用すると、自分の体がどんなシルエットを得意としているかを知ることができ、「似合う服を選びやすくなる」というメリットが生まれます。特にフォーマルスーツのように体のラインが出やすい服では、骨格タイプを踏まえたシルエットやデザインを選ぶだけで、スタイルアップ効果がぐんと高まります。
ストレートタイプは、上半身に厚みがあり、腰位置が高めでメリハリのあるシルエットが特徴的といわれます。鎖骨や肋骨の周辺に厚みがあるため、華奢なウェーブさんと比べると「しっかりした印象」の上半身になりやすいのがポイント。ウエストに大きなくびれがあるというよりは、腰の位置が自然に高く、背中からヒップまで一直線な感覚の方が多いといわれています。
また、筋肉がつきやすくハリのある肌を持ちやすいというのもストレートさんの特徴です。そのため、体にフィットする服を着ると“程よいリッチ感”が生まれやすいといわれます。反面、上半身が大きく見えすぎるとゴツく見えることがあるため、ジャケット選びにはやや注意が必要です。
ウェーブタイプは、華奢な肩や細い腕が目立ち、腰位置が低めで下半身に重心がある傾向が多いといわれています。上半身は薄く、バストや鎖骨周りがやや貧相に見えやすいため、服装によっては「寂しい印象」になってしまうことも。しかし、その分フリルやレースなどの“装飾”が得意で、華やかさを取り入れるとバランスをとりやすいのが強みです。
ウェーブさんは柔らかい素材や曲線的なデザインが似合いやすく、フォーマルスーツの場合でも、女性らしいラインのジャケットやスカートを選ぶと、上手に体型をカバーできます。逆にハリのある硬めの素材を着ると服に“着られている”ような印象になりがちなため、生地選びも重要なポイントです。
ナチュラルタイプは、骨格自体がしっかりしていて、手足も長めという、モデルのようなスタイリッシュさが際立ちやすい特徴を持ちます。肩幅や鎖骨が比較的はっきりしており、膝や関節などの骨ばったパーツが気になる方もいるかもしれません。しかし、その分ゆったりしたオーバーサイズやロング丈の服を着こなすのが上手いという強みもあります。
特に、全身が大きめのフレームで構成されている分、細身すぎる服を選ぶとパーツが目立ってアンバランスに見えることがあるため、適度にゆとりのあるアイテムを選ぶのがナチュラルさんのコツ。フォーマルスーツでも、生地が堅苦しすぎないものや、動きやすいシルエットを心がけるとバランスの良い着こなしができます。
ストレートさんは上半身の厚みがある分、ジャケットはシンプルなテーラードが相性抜群です。襟の形がベーシックで、余計な装飾の少ないものを選ぶと清潔感が高まります。スカートの丈は膝が隠れる程度のセミタイトや、ほんの少し広がりのあるタイトスカートがベスト。過度にフレアな形より、すっきりとしたラインのほうが上半身とのバランスをとりやすいでしょう。
また、ストレートさんは体のラインを強調する厚手のツイードや、上質なウール素材など、ハリのある生地が得意とされます。シャープなVネックブラウスや、少し襟元にデザインがあるインナーを合わせるのも、シンプルながらリッチ感を演出するコツです。靴はヒールが程よくあって、つま先がすっと細めのパンプスを合わせるとさらに上品度がアップします。
ウェーブさんは華奢で下重心ゆえ、上半身をややボリュームアップさせて見せるのがおすすめ。ジャケットはウエストに切り替えやタックがあり、少し短め丈のものを選ぶとスタイルアップが狙えます。スカートは膝上から膝丈くらいのフレアスカートやAラインを選ぶと下半身の重さをカバーしやすく、全体的にバランスのとれたシルエットに仕上がります。
素材は柔らかいとろみのあるものや、レースやシフォンブラウスなどのフェミニンなアイテムとも相性がいいため、フォーマルな場でも上品に可愛らしさを演出可能です。小さなリボンが付いたブラウスや、パールのネックレスを合わせるとウェーブさんの華やかさがさらに引き立ちます。ただし、ボリュームを出す部分が上半身に集中しすぎないよう注意しつつ、全体のバランスを確認してください。
ナチュラルさんは肩幅や骨格のラインがはっきりしているぶん、固すぎない素材やシルエットを選ぶことで魅力を存分に生かせます。ジャケットは少しボックスシルエット寄りで、肩パッドが強調されすぎないものを探すと◎。パンツスタイルでもスカートスタイルでも、ゆとりのあるデザインが似合いやすく、長めの丈をうまく取り入れると洗練された印象を与えられます。
特にパンツスーツは、足の長さやスタイリッシュな骨格を活かせるナチュラルさんの強み。テーパードパンツやワイドパンツで、足首や手首の細さを見せると、フォーマルシーンでも軽快で洗練されたムードになります。生地はリネン混やウール×ポリエステルなど、ゴワゴワしすぎないものを選ぶのがおすすめです。スカート派の場合は、ロング丈のタイトスカートや、すっきり落ちるAラインスカートがよく合います。
フォーマルスーツを骨格タイプに合わせて選んだら、小物でさらに自分らしさをプラスしましょう。ストレートさんはシンプルで高級感のあるアイテム、たとえば本革のバッグやシンプルなパールアクセサリーがよく合います。ウェーブさんは華やかでフェミニンな雰囲気が得意なので、レース素材のストールや小さめのコサージュをさりげなく使ってみてください。ナチュラルさんは、少し大きめのバッグやモード感のあるアクセサリーなどをサラッと取り入れるだけで、ぐっと垢抜けた印象に仕上がります。
さらに、足元も大切なポイント。ストレートさんならポインテッドトゥのパンプスでスタイリッシュに、ウェーブさんなら甲がやや開いた丸みのあるパンプスで女性らしさを演出、ナチュラルさんはかかとが安定した太めヒールやミドルヒールでも、スラリとしたバランスを取ることができます。骨格の特徴を意識して選んだ小物ならば、全身のイメージがガラリと変わること間違いなしです。
フォーマルスーツは、入学式や卒業式、ビジネスシーンなど、多くの場で活躍する欠かせないアイテム。体のラインが出やすい服だからこそ、自分の骨格を理解し、よりスタイルアップできるデザインや素材を選ぶことで「着られている」感じではなく「着こなしている」印象を与えられます。
ストレートさんはシンプル&高品質な生地を使ったスーツでリッチ感を、ウェーブさんは柔らかい素材と華やかディテールで上品な愛らしさを、ナチュラルさんはゆとりのあるシルエットでスタイリッシュな雰囲気を引き出しましょう。いずれのタイプでも大切なのは“バランス”。自分の骨格の特徴を活かしつつ、小物やヘアメイクも含めたトータルコーディネートを楽しむことで、セレモニーシーンやフォーマルな場でも自信をもって輝くことができるはずです。
ぜひこの機会に骨格タイプを見直して、あなたにぴったりのフォーマルスーツを見つけてみてください。上品な装いを味方にすれば、大切なイベントをより自分らしく、そして好印象で彩ることができますよ。