結婚式や入学式、卒業式、パーティーなど、フォーマルな場に参加する機会が増えると、「いったいどんな服装を選べばいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。特に、スーツ、ドレス、パンツドレスのどれを着ればよいかが分からずに戸惑う方は少なくありません。しかし、それぞれのスタイルにははっきりした特徴や用途があり、ポイントさえ押さえれば失敗知らず。ここでは、初心者にも分かりやすいようにスーツ・ドレス・パンツドレスの違いや選び方、コーディネートのコツを詳しく解説していきます。フォーマルシーンで好印象を残し、自信を持って参加するためにもぜひ最後までチェックしてみてください。
スーツは上下が同じ生地・色・柄で統一されたセットアップのことで、ビジネスシーンからオケージョン(式典・セレモニーなど)まで幅広く利用されています。ジャケットとスカート、またはジャケットとパンツの組み合わせで構成されるため、きちんとした印象を与えるのが最大の特徴です。
・ビジネスでもセレモニーでも使いやすい
スーツは、シンプルで落ち着いたデザインが基本となるため、着回し力が高いのがメリットです。ビジネスに着ていけるネイビーやグレーのスーツを一着持っておけば、ジャケットやインナー、アクセサリーの組み合わせを変えるだけで、入学式・卒業式などのフォーマルシーンにも流用できます。ただし、結婚式や華やかなパーティーなどでは、地味すぎる印象を与えないよう、小物やインナーで差をつける工夫も必要でしょう。
・体型を選ばず着こなしやすい
スーツは上半身・下半身それぞれをしっかりホールドするデザインのため、比較的どんな体型の方でもバランスを取りやすいといえます。特にジャケットは肩やウエストのラインを整えてくれるため、「きちんと感」を演出したいときはスーツの強みを活かせます。また、インナーを変えることで温度調整もでき、1年を通じて着用しやすい点も魅力的です。
ドレスはワンピース型のフォーマルウェアで、結婚式や披露宴、パーティーなど華やかな場にぴったりのアイテムです。レースやシフォン、生地の光沢感など、装飾が施されたデザインが多く、女性らしいシルエットをアピールできるのがドレスの大きな魅力となります。
・結婚式やパーティーで主役級の華やかさ
ドレスはその名のとおり一着で完結する華やかさが魅力。スーツよりも柔らかな雰囲気で、写真映えもしやすいのが特長です。結婚式のお呼ばれやお祝い事など「華やかさ」を求められる場では、スーツよりもドレスのほうがドレスコード的にふさわしい場合が多いでしょう。ただし、派手すぎる色や過度な露出はマナー違反になりかねないため、シーンに合わせた落ち着いたトーンのデザインを選ぶことが大切です。
・体型に合わせたシルエット選び
ドレスはAライン、エンパイアライン、タイト、フレアなどさまざまなシルエットがあり、それぞれ似合いやすい体型や雰囲気が異なります。二の腕が気になる方は袖つきのドレスやボレロを合わせる、ぽっこりお腹が気になる方はハイウエストで切り替えがあるデザインを選ぶ、といった工夫で悩みをカバーしながらより美しいラインを演出することができます。
近年注目度が上がっているパンツドレスは、ワンピースではなくパンツスタイルのフォーマルウェアです。動きやすさと上品さを両立し、適度にフェミニンな雰囲気を保てるため、結婚式から子どもの式典まで幅広いシーンで選ばれるようになっています。
・動きやすく、実用的
パンツドレスの最大の魅力はなんといってもパンツスタイルならではの「動きやすさ」。スカートやドレスを着慣れない方にとって、パンツを選ぶことでストレスフリーに過ごせる点は大きな利点です。特に、小さい子どもを連れて結婚式や入園式などに参加するママ世代の方に人気が高まっています。
・「カジュアルすぎない」デザイン選びがカギ
一方で、パンツドレスは着こなしによってはカジュアルに見える可能性もあります。そこで注目したいのが素材や装飾。レースやシフォン、光沢感のある上質な生地を使ったパンツドレスであれば、結婚式などの華やかな場面でも失礼になりにくいです。また、華奢なヒールやパール系アクセサリーを合わせることで、フォーマルらしい品格をプラスできます。ジャケットやボレロとの合わせ方によって、季節を問わず活用できるのもポイントです。
では、具体的に「どんなシーンでどのスタイルを選べばいいの?」という疑問について、いくつかの代表的な例を挙げて考えてみましょう。
・入学式・卒業式
学校行事では、華やかさよりも「落ち着き・品格」を重視するのが無難です。スーツ(ジャケット+スカートまたはパンツ)を選ぶ方が多く、ベージュやネイビーといった上品なカラーが好まれます。ドレスよりもスーツのほうが式典にはなじみやすく、式後に写真撮影をするときもかしこまった雰囲気を演出しやすいでしょう。
・結婚式・披露宴
お祝いの場である結婚式では、華やかさとマナーのバランスが重要です。スーツを着用する場合は、インナーや小物にレースやパールを取り入れて華やかさを演出するとよいでしょう。ドレスを選ぶなら、淡いパステルカラーや落ち着いたトーンのものが定番。一方、「動きやすさ」と「エレガントさ」を両立したいなら、上質な素材のパンツドレスがおすすめです。特に、二次会やガーデンウェディングなどのカジュアルさがあるシーンでは、パンツドレスが活躍する場面も増えています。
・ビジネスフォーマル・会社行事
ビジネスシーンでのフォーマルはシックなスーツが無難。パンツスタイルやタイトスカートでまとめると、きちんと感を保ちつつ動きやすさも確保できます。ドレスやパンツドレスはビジネスシーンでは少し浮いてしまうこともあるため、役職や社風、会の雰囲気をよく見極めて選ぶことが肝心です。
スーツ・ドレス・パンツドレスいずれを選ぶ場合でも、全体の雰囲気はアクセサリーやバッグ、靴などの小物使いで大きく変わります。
・バッグ選び
クラッチバッグやパーティーバッグはドレスやパンツドレスとの相性が抜群。スーツのときは小ぶりのハンドバッグでも良いですが、入学式や卒業式などでは書類や記念品を持ち帰る場面もあるため、トートバッグやセミフォーマルなバッグをサブで用意しておくと便利です。
・アクセサリー選び
結婚式や華やかなパーティーなら、パールネックレスやイヤリング、ブレスレットなどで適度なきらめきをプラス。また、パンツドレスでカジュアル寄りになりそうな場合には、上品なアクセサリーを取り入れるとフォーマル度を高められます。ただし、過度な装飾は主役を引き立てる席では不適切な場合も。シーンに合わせて控えめかつ存在感のあるアクセサリーを選びましょう。
いくらデザインが気に入っていても、サイズが合わないと「着られている」感が出てしまい、台無しになってしまいます。フォーマルウェアはシルエットが命。特にインターネット通販などで購入する場合は、各部位のサイズをしっかり確認し、試着サービスや返品・交換の対応をチェックしておきましょう。
・ジャケットやパンツは「窮屈すぎない」か
スーツやパンツドレスを選ぶときは、肩幅や腕周り、ウエスト部分がきつすぎないか注意が必要。動きにくいほどタイトだと、長時間着ているうちにシワになったり、ボタンが弾けたりといったトラブルにもつながります。
・ドレスは裾の長さとウエストのフィット感
ドレスの丈が長すぎると歩きにくくなるだけでなく、式典やパーティー会場で引きずって汚してしまうことも。ヒールを履くことを前提として試着し、ちょうどよい長さを見極めましょう。また、ウエストがぶかぶかだとラフな印象になりすぎるため、ベルトやリボンで調整するのも一つの手です。
スーツ・ドレス・パンツドレスは、それぞれ特徴が異なるからこそ、適切な場面で着用すれば最高のパフォーマンスを発揮してくれます。入学式や卒業式など落ち着いた雰囲気の場ではスーツが重宝されますし、結婚式や華やかなパーティーではドレスが主役級の存在感を放ちます。パンツドレスは、動きやすく適度にフォーマル感を保てるため、幅広いオケージョンで選ばれるようになってきました。
どのスタイルを選ぶにしても、シーンに合わせる・サイズ選びを慎重に行う・小物やアクセサリーで雰囲気を調整するの3つを意識することで失敗を減らすことができます。特に初心者の方は、まず定番カラーのアイテムから揃えると着回しがしやすく、次回以降のオケージョンにも応用しやすいでしょう。
せっかくの晴れ舞台やお祝い事、フォーマルな集まりに臨むなら、ぜひ自分にぴったりのスタイルで華やかさと品格を両立させてみてください。準備をしっかり行い、当日は自信を持って会場に足を運べば、きっと素敵な思い出を作ることができるはずです。